税について
June 30, 2011
所得税減免措置②
単に、所得税の減免といっても「2種類」あります。
一つは、所得税法による雑損控除です。
もう一つは、災害減免法における減免措置になります。
この二つはどう違うのでしょうか?
また、納税者に有利な方法はどちらなのでしょうか?
まず、雑損控除から説明します。
みなさん、所得税の計算過程を思い出してください。
とはいっても、給与所得のみの方は、年末調整で1年分の所得に対する税額が、きちんと計算され、過不足について徴収、還付されていますから、納税の実感がわかないですし、ましてや、計算過程など知る由もないですよね。
難しい話はさておき、生命保険料や地震保険料などの控除証明書を会社に出していますよね。これは、税率を掛ける前の所得から、それぞれの一定額を差し引いているのです(所得控除といいます)。なかには、住宅ローン控除を受けられている方もいらっしゃると思いますが、これは所得控除ではなく、所得に税率を掛けた税額から直接一定額を引いているのです(税額控除といいます)。
雑損控除はといいますと、前者の「所得控除」になります。
1.雑損控除の対象資産は、居住用不動産(土地、建物)、生活用動産(家具、什器、衣服、車両など)です。
2.雑損控除の計算方法は、「損失額-所得金額の10分の1」または「災害関連支出額-5万円」のうちいずれか多いほうの金額です。
次に、災害減免法による減免は、雑損控除のように所得をマイナスするのではなく、直接税額を軽減・免除するものです。
1.災害減免法の対象資産は、損害額が住宅または家財の価額の2分の1以上である場合です。
2.所得税の軽減・免除の方法は、
1年の総所得金額が500万円以下・・・全額免除
500万円超750万円以下・・・2分の1軽減
750万円超1000万円以下・・・4分の1軽減
1000万円超・・・なし
さて、「所得税法による雑損控除」と「災害減免法による減免措置」では、どちらが納税者にとって有利なのでしょか。
実は、災害範囲、損失金額、年分の所得金額、家族構成などなど、個別に判断、計算をしてみないと、どちらが有利なのかは分からないのです。実際、両方計算してみて、有利なほうで申告等をすればよいのです。
ちなみに、その際、注意しなければならないのは、所得税ではなく「住民税」です。基本的には、災害減免法による減免措置をうけたときは、所得税のみで住民税の軽減には及びません。したがいまして、両者を比較検討するときは、住民税のことも考慮されたほうがよろしいと思います。さらに、住民税が違えば、公立の保育所などの料金も違ってくる可能性がありますよ。
一つは、所得税法による雑損控除です。
もう一つは、災害減免法における減免措置になります。
この二つはどう違うのでしょうか?
また、納税者に有利な方法はどちらなのでしょうか?
まず、雑損控除から説明します。
みなさん、所得税の計算過程を思い出してください。
とはいっても、給与所得のみの方は、年末調整で1年分の所得に対する税額が、きちんと計算され、過不足について徴収、還付されていますから、納税の実感がわかないですし、ましてや、計算過程など知る由もないですよね。
難しい話はさておき、生命保険料や地震保険料などの控除証明書を会社に出していますよね。これは、税率を掛ける前の所得から、それぞれの一定額を差し引いているのです(所得控除といいます)。なかには、住宅ローン控除を受けられている方もいらっしゃると思いますが、これは所得控除ではなく、所得に税率を掛けた税額から直接一定額を引いているのです(税額控除といいます)。
雑損控除はといいますと、前者の「所得控除」になります。
1.雑損控除の対象資産は、居住用不動産(土地、建物)、生活用動産(家具、什器、衣服、車両など)です。
2.雑損控除の計算方法は、「損失額-所得金額の10分の1」または「災害関連支出額-5万円」のうちいずれか多いほうの金額です。
次に、災害減免法による減免は、雑損控除のように所得をマイナスするのではなく、直接税額を軽減・免除するものです。
1.災害減免法の対象資産は、損害額が住宅または家財の価額の2分の1以上である場合です。
2.所得税の軽減・免除の方法は、
1年の総所得金額が500万円以下・・・全額免除
500万円超750万円以下・・・2分の1軽減
750万円超1000万円以下・・・4分の1軽減
1000万円超・・・なし
さて、「所得税法による雑損控除」と「災害減免法による減免措置」では、どちらが納税者にとって有利なのでしょか。
実は、災害範囲、損失金額、年分の所得金額、家族構成などなど、個別に判断、計算をしてみないと、どちらが有利なのかは分からないのです。実際、両方計算してみて、有利なほうで申告等をすればよいのです。
ちなみに、その際、注意しなければならないのは、所得税ではなく「住民税」です。基本的には、災害減免法による減免措置をうけたときは、所得税のみで住民税の軽減には及びません。したがいまして、両者を比較検討するときは、住民税のことも考慮されたほうがよろしいと思います。さらに、住民税が違えば、公立の保育所などの料金も違ってくる可能性がありますよ。
June 29, 2011
り災(届出)証明 所得税減免措置①
先週やっと、自宅の「り災証明」を得るため、区役所に行って申請(届出)してきました(現地確認まで2~3ヶ月かかるそうです)。たぶん我が家は半壊以上の判定になるのではないかと思います。けっこう、あっちこっち、被害があります。
庁舎内は、高速道路通行料免除のための、「り災届出証明書」を取得する人でいっぱいでした(7月31日までは、この届出証明書があれば無料で通行できるようです)。
東北税理士会では、震災後、各地で無料税務相談会を行っています(7月には私も県内の税務署会場で執務にあたります)。
前回は、震災に係る所得税の取り扱いについて、目次だけ羅列しましたが、照会の多い点、間違いやすい点等を中心に、何回かに分けて解説したいと思います。
最初に、誰がどのように減免をうけることが出来るのか、その概略をお話します。
まず、減免を受けることが出来る人は、
サラリーマンや会社役員、個人事業者など、平成22年分の所得に対し、既に源泉納付または申告納税した人、またはこれから申告し納税する人です(源泉納付している人は確定申告により、申告納税した人は、更正の請求によりそれぞれ還付をうけます)。
個人事業者の平成22年分の所得計算において、震災による純損失がある場合には、さらに1年間さかのぼり、平成21年分の所得に対し納めた所得税の還付をうけることもできます。
減免の対象は、
住宅、家財、車両などの個人資産や
棚卸資産、事業用・業務用固定資産などの事業用資産の被災損失(関連支出を含む)です。
事業用資産については、所有者である事業主において、減免をうけることになりますが、
個人資産の場合は、必ずしも所有者だけが減免をうけるとは限りません。
資産の所有者を「控除対象配偶者」または「扶養親族」としている納税者も、その資産に係る損失をもって減免をうけることができます。
庁舎内は、高速道路通行料免除のための、「り災届出証明書」を取得する人でいっぱいでした(7月31日までは、この届出証明書があれば無料で通行できるようです)。
東北税理士会では、震災後、各地で無料税務相談会を行っています(7月には私も県内の税務署会場で執務にあたります)。
前回は、震災に係る所得税の取り扱いについて、目次だけ羅列しましたが、照会の多い点、間違いやすい点等を中心に、何回かに分けて解説したいと思います。
最初に、誰がどのように減免をうけることが出来るのか、その概略をお話します。
まず、減免を受けることが出来る人は、
サラリーマンや会社役員、個人事業者など、平成22年分の所得に対し、既に源泉納付または申告納税した人、またはこれから申告し納税する人です(源泉納付している人は確定申告により、申告納税した人は、更正の請求によりそれぞれ還付をうけます)。
個人事業者の平成22年分の所得計算において、震災による純損失がある場合には、さらに1年間さかのぼり、平成21年分の所得に対し納めた所得税の還付をうけることもできます。
減免の対象は、
住宅、家財、車両などの個人資産や
棚卸資産、事業用・業務用固定資産などの事業用資産の被災損失(関連支出を含む)です。
事業用資産については、所有者である事業主において、減免をうけることになりますが、
個人資産の場合は、必ずしも所有者だけが減免をうけるとは限りません。
資産の所有者を「控除対象配偶者」または「扶養親族」としている納税者も、その資産に係る損失をもって減免をうけることができます。
April 28, 2011
東日本大震災の被災者等に係る税制改正法案が可決・成立
東日本大震災において多くの方が被災されました。被害の大きさは日をおうごとにその深刻さを増しています。
今、私たち税理士に出来ることは、救済に係る税制、税法を正しく納税者に伝え、適用できるよう支援することだと思います。
東北税理士会も、震災直後から各地でバックアップ体制をとっておりますが、本日、税務署内で行われる震災に係る無料税務相談員の日程調整が事務所に届きました(微力ながら少しでもお役に立てればと思います)。
また、昨日27日、「東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律案」および「地方税法の一部を改正する法律案」が国会で可決・成立し、
本日、国税庁ホームページで「東日本大震災により損害を受けた場合の所得税の取扱い(情報)」等が公表されました。
内容につきましては、当事務所にお尋ねください(目次は下記のとおりです)。
各種制度の概要
第1 所得税の減免措置等
1 所得税法の雑損控除及び災害減免法の概要
2 資産に係る損失の取扱い
3 大震災の被災者に係る税制上の特例措置
(1) 雑損控除の特例
(2) 雑損失の繰越控除の特例
(3) 災害被災者に対する所得税の減免の特例
(4) 被災事業用資産の損失の必要経費算入に関する特例等
(5) 純損失の繰越控除の特例
(6) 震災関連寄付金を支出した場合の寄附金控除の特例又は所得税額の特別控除
(7) 住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除等の適用期間に係る特例
(8) 被災代替資産等の特別償却
(9) 特例の事業用資産の買換え等の場合の譲渡所得の課税の特例
(10) 特定の事業用資産を交換した場合の譲渡所得の課税の特例
4 雑損控除の対象となる資産及び損失額の計算
5 見舞金等に関する取扱い
第2 予定納税額の減額申請、源泉徴収の徴収猶予
第3 納税の猶予
第4 申告・納付などの期限の延長
質疑応答編
第1 税制上の措置
1 大震災の被災者に対する税制上の措置
2 申告期限の延長等
3 青色申告の承認申請の提出期限
4 申告期限の延長等(具体的な手続き)
5 災害等のやんだ日
6 所得税法の雑損控除と災害減免法の税金の軽減免除の比較
第2 雑損控除(共通)
1 雑損控除の対象となる資産
2 雑損控除の対象となる資産(現金)
3 雑損控除の対象となる資産(自己と生計を一にする配偶者その他の親族が所有する住宅)
4 雑損控除の対象となる資産(車両)
5 雑損控除の対象となる資産(別荘)
6 雑損控除の対象となる資産(店舗併用住宅)
7 雑損控除の対象となる資産(住宅用土地)
8 雑損控除の対象となる資産(住宅用土地の評価損)
9 雑損控除の対象となる資産(業務の用に供する貸付不動産)
10 適用対象者(非居住者)
11 災害関連支出の意義
12 災害関連支出(住宅の修繕費用)
13 災害関連支出(修繕費の区分)
14 災害関連支出(損失額の合理的な計算方法による計算の取扱い)
15 災害関連支出(墓石等の復旧費用)
16 災害関連支出(住宅の取壊し費用・地盛り費用・住宅の建設費用)
17 災害関連支出(原状回復費用)
18 災害関連支出(家財の搬出費用・アパートの家賃)
19 災害関連支出(宿泊費用)
20 災害関連支出(青空駐車場の土盛り費用)
21 損害を補てんする保険金等の範囲
22 保険金等の金額が確定していない場合
23 「り災証明書」の必要性
24 家財のみに被害を受けた場合の「り災証明書」
第3 雑損控除における損失額の合理的な計算方法
1 損失額の合理的な計算方法(適用対象)
2 損失額の合理的な計算方法(概要)
3 1㎡当たりの工事費用の補正適用
4 住宅の構造が2種類以上である場合
5 住宅の損失額を計算する場合の総床面積の考え方(1)
6 住宅の損失額を計算する場合の総床面積の考え方(2)
7 門及び塀の損壊による損失額
8 被害割合の適用(主要構造部の範囲)
9 住宅の被害が軽微であった場合の家財の損失額の計算
10 マンションの被害に対する考え方
11 共用部分の修繕費を「修繕積立金」から支払った場合の取扱い
12 「家族構成別家財評価額」の適用(同一世帯に収入のある者が複数いる場合)
13 「家族構成別家財評価額」の適用(18歳以上か否かの判定時期)
14 「家族構成別家財評価額」の適用(生計を一にする親族数の判定)
15 被災資産に係る減価償却費の計算(耐用年数の基本的な考え方)
16 被災資産に係る減価償却費の計算(中古資産の耐用年数の考え方)
17 被災資産に係る減価償却費の計算(償却可能限度額の考え方)
18 被害割合の考え方(居住の見込みがなくなった場合)
19 被害割合の考え方(地下階が浸水した場合)
20 被害割合の考え方(海水が流れ込んだ場合)
21 被害割合の考え方(損壊+浸水の場合)
22 損失額の合理的な計算方法による計算と実額計算の併用
第4 災害減免法
1 災害減免法の適用
2 住宅又は家財の意義
3 扶養親族の所有する住宅
4 所得金額要件の判定
第5 雑損控除の特例等
1 東日本大震災の意義
2 雑損控除の震災特例法等の適用対象者
3 親族の判定時期
4 災害関連支出の支出時期
5 店舗併用住宅の取扱い
6 雑損失の繰越控除の特例の概要
7 申告期限等の延長と震災特例法の適用関係
8 源泉所得税の徴収猶予との関係
9 繰越雑損失に係る源泉所得税の徴収猶予との関係
第6 事業所得等の取扱い
1 事業用資産等に生じた損失
2 被災事業用資産の損失の必要経費算入の特例の適用対象者
3 被災事業用資産の損失に含まれる災害関連支出
4 被災事業用資産の特例等の部分的選択
5 純損失の繰越控除の特例における一定の要件
6 被災事業用資産の損失と繰戻し還付請求
7 被災事業用資産の損失と繰戻し還付請求(死亡した方)
8 被災事業用資産の損失の必要経費算入の特例等の会計処理
9 棚卸資産の寄付
10 損害賠償金の取扱い
11 農産物に生じた損失
12 未収穫農作物に係る損失の金額の計算
13 農業用固定資産が滅失した場合
14 農業用固定資産を修繕した場合
15 津波による田畑の被害
16 原子力発電所の事故による損失
17 風評被害による損失
18 家畜の損失
19 畜産用固定資産の損失
20 畜産用固定資産の修繕
21 津波による牧場等の損失
22 漁船等の損失
23 漁船等の修繕費用
第7 住宅借入金等特別控除の取扱い
1 住宅借入金等特別控除の取扱い(居住の用に供することができなくなった場合)
2 住宅借入金等特別控除の取扱い(一時的に居住の用に供していない場合)
3 住宅借入金等特別控除等の適用期間に係る特例
第8 義援金・見舞金等
1 災害義援金
2 災害義援金の募集に係る確認手続き
3 見舞金を受け取った場合
4 震災関連寄付の税制上の措置
5 震災関連寄付金の具体的計算
6 従業員に対して支給する金品
7 災害見舞金に充てるための同業者団体等の分担金
第9 申告手続き等
1 手続き等を行う税務署
2 手続きに必要なもの
3 添付書類が手許にない場合
4 帳簿書類の喪失(所得税確定申告)
5 帳簿書類の喪失(青色申告の特典)
6 帳簿書類の喪失(消費税仕入税額控除)
7 一般課税から簡易課税への変更
8 雑損控除の特例を受けるための手続き
9 雑損控除の特例を受けるための申告書の記載方法
10 特定雑損失の繰越控除を受ける旨の記載方法
11 災害減免法の特例を受けるための申告書の記載方法
12 被災事業用資産の必要経費算入に関する特例等を受けるための手続き
13 被災事業用資産の必要経費算入に関する特例等を受ける旨の記載方法
14 震災関連寄付金の添付書類
15 納税証明書の手数料
参考編
別表1 地域別・構造別の工事費用表(1㎡当たり)
別表2 家族構成別家財評価額
別表3 被害割合表
◎ 被災した住宅、家財等の損失額の計算書
今、私たち税理士に出来ることは、救済に係る税制、税法を正しく納税者に伝え、適用できるよう支援することだと思います。
東北税理士会も、震災直後から各地でバックアップ体制をとっておりますが、本日、税務署内で行われる震災に係る無料税務相談員の日程調整が事務所に届きました(微力ながら少しでもお役に立てればと思います)。
また、昨日27日、「東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律案」および「地方税法の一部を改正する法律案」が国会で可決・成立し、
本日、国税庁ホームページで「東日本大震災により損害を受けた場合の所得税の取扱い(情報)」等が公表されました。
内容につきましては、当事務所にお尋ねください(目次は下記のとおりです)。
各種制度の概要
第1 所得税の減免措置等
1 所得税法の雑損控除及び災害減免法の概要
2 資産に係る損失の取扱い
3 大震災の被災者に係る税制上の特例措置
(1) 雑損控除の特例
(2) 雑損失の繰越控除の特例
(3) 災害被災者に対する所得税の減免の特例
(4) 被災事業用資産の損失の必要経費算入に関する特例等
(5) 純損失の繰越控除の特例
(6) 震災関連寄付金を支出した場合の寄附金控除の特例又は所得税額の特別控除
(7) 住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除等の適用期間に係る特例
(8) 被災代替資産等の特別償却
(9) 特例の事業用資産の買換え等の場合の譲渡所得の課税の特例
(10) 特定の事業用資産を交換した場合の譲渡所得の課税の特例
4 雑損控除の対象となる資産及び損失額の計算
5 見舞金等に関する取扱い
第2 予定納税額の減額申請、源泉徴収の徴収猶予
第3 納税の猶予
第4 申告・納付などの期限の延長
質疑応答編
第1 税制上の措置
1 大震災の被災者に対する税制上の措置
2 申告期限の延長等
3 青色申告の承認申請の提出期限
4 申告期限の延長等(具体的な手続き)
5 災害等のやんだ日
6 所得税法の雑損控除と災害減免法の税金の軽減免除の比較
第2 雑損控除(共通)
1 雑損控除の対象となる資産
2 雑損控除の対象となる資産(現金)
3 雑損控除の対象となる資産(自己と生計を一にする配偶者その他の親族が所有する住宅)
4 雑損控除の対象となる資産(車両)
5 雑損控除の対象となる資産(別荘)
6 雑損控除の対象となる資産(店舗併用住宅)
7 雑損控除の対象となる資産(住宅用土地)
8 雑損控除の対象となる資産(住宅用土地の評価損)
9 雑損控除の対象となる資産(業務の用に供する貸付不動産)
10 適用対象者(非居住者)
11 災害関連支出の意義
12 災害関連支出(住宅の修繕費用)
13 災害関連支出(修繕費の区分)
14 災害関連支出(損失額の合理的な計算方法による計算の取扱い)
15 災害関連支出(墓石等の復旧費用)
16 災害関連支出(住宅の取壊し費用・地盛り費用・住宅の建設費用)
17 災害関連支出(原状回復費用)
18 災害関連支出(家財の搬出費用・アパートの家賃)
19 災害関連支出(宿泊費用)
20 災害関連支出(青空駐車場の土盛り費用)
21 損害を補てんする保険金等の範囲
22 保険金等の金額が確定していない場合
23 「り災証明書」の必要性
24 家財のみに被害を受けた場合の「り災証明書」
第3 雑損控除における損失額の合理的な計算方法
1 損失額の合理的な計算方法(適用対象)
2 損失額の合理的な計算方法(概要)
3 1㎡当たりの工事費用の補正適用
4 住宅の構造が2種類以上である場合
5 住宅の損失額を計算する場合の総床面積の考え方(1)
6 住宅の損失額を計算する場合の総床面積の考え方(2)
7 門及び塀の損壊による損失額
8 被害割合の適用(主要構造部の範囲)
9 住宅の被害が軽微であった場合の家財の損失額の計算
10 マンションの被害に対する考え方
11 共用部分の修繕費を「修繕積立金」から支払った場合の取扱い
12 「家族構成別家財評価額」の適用(同一世帯に収入のある者が複数いる場合)
13 「家族構成別家財評価額」の適用(18歳以上か否かの判定時期)
14 「家族構成別家財評価額」の適用(生計を一にする親族数の判定)
15 被災資産に係る減価償却費の計算(耐用年数の基本的な考え方)
16 被災資産に係る減価償却費の計算(中古資産の耐用年数の考え方)
17 被災資産に係る減価償却費の計算(償却可能限度額の考え方)
18 被害割合の考え方(居住の見込みがなくなった場合)
19 被害割合の考え方(地下階が浸水した場合)
20 被害割合の考え方(海水が流れ込んだ場合)
21 被害割合の考え方(損壊+浸水の場合)
22 損失額の合理的な計算方法による計算と実額計算の併用
第4 災害減免法
1 災害減免法の適用
2 住宅又は家財の意義
3 扶養親族の所有する住宅
4 所得金額要件の判定
第5 雑損控除の特例等
1 東日本大震災の意義
2 雑損控除の震災特例法等の適用対象者
3 親族の判定時期
4 災害関連支出の支出時期
5 店舗併用住宅の取扱い
6 雑損失の繰越控除の特例の概要
7 申告期限等の延長と震災特例法の適用関係
8 源泉所得税の徴収猶予との関係
9 繰越雑損失に係る源泉所得税の徴収猶予との関係
第6 事業所得等の取扱い
1 事業用資産等に生じた損失
2 被災事業用資産の損失の必要経費算入の特例の適用対象者
3 被災事業用資産の損失に含まれる災害関連支出
4 被災事業用資産の特例等の部分的選択
5 純損失の繰越控除の特例における一定の要件
6 被災事業用資産の損失と繰戻し還付請求
7 被災事業用資産の損失と繰戻し還付請求(死亡した方)
8 被災事業用資産の損失の必要経費算入の特例等の会計処理
9 棚卸資産の寄付
10 損害賠償金の取扱い
11 農産物に生じた損失
12 未収穫農作物に係る損失の金額の計算
13 農業用固定資産が滅失した場合
14 農業用固定資産を修繕した場合
15 津波による田畑の被害
16 原子力発電所の事故による損失
17 風評被害による損失
18 家畜の損失
19 畜産用固定資産の損失
20 畜産用固定資産の修繕
21 津波による牧場等の損失
22 漁船等の損失
23 漁船等の修繕費用
第7 住宅借入金等特別控除の取扱い
1 住宅借入金等特別控除の取扱い(居住の用に供することができなくなった場合)
2 住宅借入金等特別控除の取扱い(一時的に居住の用に供していない場合)
3 住宅借入金等特別控除等の適用期間に係る特例
第8 義援金・見舞金等
1 災害義援金
2 災害義援金の募集に係る確認手続き
3 見舞金を受け取った場合
4 震災関連寄付の税制上の措置
5 震災関連寄付金の具体的計算
6 従業員に対して支給する金品
7 災害見舞金に充てるための同業者団体等の分担金
第9 申告手続き等
1 手続き等を行う税務署
2 手続きに必要なもの
3 添付書類が手許にない場合
4 帳簿書類の喪失(所得税確定申告)
5 帳簿書類の喪失(青色申告の特典)
6 帳簿書類の喪失(消費税仕入税額控除)
7 一般課税から簡易課税への変更
8 雑損控除の特例を受けるための手続き
9 雑損控除の特例を受けるための申告書の記載方法
10 特定雑損失の繰越控除を受ける旨の記載方法
11 災害減免法の特例を受けるための申告書の記載方法
12 被災事業用資産の必要経費算入に関する特例等を受けるための手続き
13 被災事業用資産の必要経費算入に関する特例等を受ける旨の記載方法
14 震災関連寄付金の添付書類
15 納税証明書の手数料
参考編
別表1 地域別・構造別の工事費用表(1㎡当たり)
別表2 家族構成別家財評価額
別表3 被害割合表
◎ 被災した住宅、家財等の損失額の計算書
March 21, 2011
東北地方太平洋沖地震
東北地方太平洋沖地震の発生に際し、被災されました皆様に心よりお見舞い申し上げます。
国税の申告・納付期限につきましては、国税通則法第11条の規定により、延長されることとなりました。いつまで延長されるかは今後の被災地の状況によるようです。
また、中小企業庁より、被災者に対する支援策が講じられておりますので、当ホームページの「インターネット最新情報」でご確認ください。
今回の地震による被害は甚大で、復興するまで多くの時間を要することと思われますが、出来得ることは何でもさせていただきたいと思っておりますので、当事務所までご相談ください。
一日も早い被災地の復興を心より祈っております。
国税の申告・納付期限につきましては、国税通則法第11条の規定により、延長されることとなりました。いつまで延長されるかは今後の被災地の状況によるようです。
また、中小企業庁より、被災者に対する支援策が講じられておりますので、当ホームページの「インターネット最新情報」でご確認ください。
今回の地震による被害は甚大で、復興するまで多くの時間を要することと思われますが、出来得ることは何でもさせていただきたいと思っておりますので、当事務所までご相談ください。
一日も早い被災地の復興を心より祈っております。
February 17, 2011
電話相談センター
いよいよ、本日16日から所得税の確定申告受付が始まりましたね。
私は、先週、先々週と仙台国税局の電話相談センターに従事しました。
東北六県のすべての税務署に掛かってくる電話相談に仙台在住の担当税理士と国税局職員等が任に当たります(各税務署より自動で電話が転送されてきます)。
相談で一番多いのは、「医療費控除」です。
〇マイカーに係るガソリン代や駐車料金は通院費として医療費控除の対象になるの?
〇入院の際、本人が個室を希望した場合の差額ベット代は?
〇歯の治療で保険のきかないセラミックを使用したら?
〇入院に必要な病衣やティッシュペーパーの購入費用は?
〇レーシック手術の費用は?
〇通院に新幹線を使ったら?
などなど、
結構いろいろな質問がありました。
なかなか判断の難しいものもありますので、迷いましたらいつでもご相談ください。
私は、先週、先々週と仙台国税局の電話相談センターに従事しました。
東北六県のすべての税務署に掛かってくる電話相談に仙台在住の担当税理士と国税局職員等が任に当たります(各税務署より自動で電話が転送されてきます)。
相談で一番多いのは、「医療費控除」です。
〇マイカーに係るガソリン代や駐車料金は通院費として医療費控除の対象になるの?
〇入院の際、本人が個室を希望した場合の差額ベット代は?
〇歯の治療で保険のきかないセラミックを使用したら?
〇入院に必要な病衣やティッシュペーパーの購入費用は?
〇レーシック手術の費用は?
〇通院に新幹線を使ったら?
などなど、
結構いろいろな質問がありました。
なかなか判断の難しいものもありますので、迷いましたらいつでもご相談ください。
February 08, 2011
January 31, 2011
January 27, 2011
減価償却制度の見直し(平成23年度)
平成23年度の税制改正(案)の中で、減価償却について簡単にふれておきます。
まず、適用開始時期ですが、
「平成23年4月1日」以後に取得する減価償却資産からです。
そして改正点は、
「定率法の償却率」が縮減されることです。
どの程度、
現行は、定額法の償却率(1÷耐用年数)を2.5倍した数ですが、
改正後は、定額法の償却率を2倍した数になります。
例えば、
耐用年数5年、取得価額1,000万円の場合
現行では、1÷5×2.5=0.5(定率法の償却率)
1,000万円×0.5=500万円(1年目償却費)
改正後は、1÷5×2=0.4(定率法の償却率)
1,000万円×0.4=400万円(1年目償却費) となります。
ただ、経過措置があり、
定率法を採用している法人が、平成23年4月1日前に開始し、かつ、同日以後に終了する事業年度において、同日からその事業年度終了の日までの期間内に減価償却資産を取得した場合には、現行の償却率によりおこなうことができます。
以上、最近お問い合わせの多い減価償却について説明させていただきました。
まず、適用開始時期ですが、
「平成23年4月1日」以後に取得する減価償却資産からです。
そして改正点は、
「定率法の償却率」が縮減されることです。
どの程度、
現行は、定額法の償却率(1÷耐用年数)を2.5倍した数ですが、
改正後は、定額法の償却率を2倍した数になります。
例えば、
耐用年数5年、取得価額1,000万円の場合
現行では、1÷5×2.5=0.5(定率法の償却率)
1,000万円×0.5=500万円(1年目償却費)
改正後は、1÷5×2=0.4(定率法の償却率)
1,000万円×0.4=400万円(1年目償却費) となります。
ただ、経過措置があり、
定率法を採用している法人が、平成23年4月1日前に開始し、かつ、同日以後に終了する事業年度において、同日からその事業年度終了の日までの期間内に減価償却資産を取得した場合には、現行の償却率によりおこなうことができます。
以上、最近お問い合わせの多い減価償却について説明させていただきました。
January 16, 2011
連年贈与(れんねんぞうよ)
みなさん、「連年贈与」って聞いたことありますか?
税法上は「定期金」といいます。
今、なんでこのような話をするのかと言いますと、
毎年2月16日から「所得税」の確定申告受付が始まることは、みなさんご存知だと思いますが、
実は、前年に受けた贈与について、「贈与税」の申告が必要な方は、「所得税」よりも一足早く、2月1日から申告受付が始まるのです(申告期限は、どちらも3月15日です)。
まさに、今、その準備作業をしておりましたので、この機会にお話ししておきます。
毎年、贈与について相談を受けることが多々あります。
その際、注意しなければならないのは、この「定期金」の取扱いなのです。
贈与の課税制度は、「暦年課税」と「相続時精算課税」の二つに分けられます。
「暦年課税」は、毎年、1月1日からその年12月31日までに受けた贈与について、110万円の基礎控除を超えた贈与について課税されます。所得税と同じ累進課税となっていますので、その金額が多くなればより高い税率により贈与税が課せられます(最高税率50%)。
「相続時精算課税」は、贈与者が65歳以上の親、受贈者が20歳以上の子に、制限されますが、父母、それぞれ、2500万円までの贈与については(合計5000万円)贈与税を課さず、相続発生時にこの贈与財産と相続財産を合算して相続税の計算をするというものです(一度、相続時精算課税を選択した場合には、暦年課税による申告はできなくなります)。
相談で多いのは、「暦年課税」制度を使って、毎年、計画的に親から子に財産を贈与するというものです。
例えば、貯金が1000万円ある親が、子に贈与するのに、一度に1000万円だと、基礎控除の110万円を超えて贈与税がかかるので、毎年、100万円を10回に分けて贈与するといったような場合です。
このような場合、みなさんはどう考えますか?
実は、簡単なようで結構難しいのですね。
ネット上で他の税理士が書いたブログ等を見ると、このようなケースでは、何でもかんでも「連年贈与」として贈与税がかかるような見解をもっていらっしゃる方が多く見受けられます。
しかし、それは間違いです。
上の例でいえば、1000万円を何回かに分けて贈与するというような贈与契約があって、それを実行したのであれば、税法上、それは「定期金」となり、たとえ1年に受けた贈与金額が110万円以下であっても、贈与総額の1000万円をもとに評価して、一度に贈与税を納める必要があります。
それでは、
最初に総額1000万円を贈与するような契約が無く、毎年、贈与契約を結び、贈与していった結果、10年経ってみたら総額が1000万円だったとしたら、どうなるでしょうか。
これは、「連年贈与」には当たりません。
「連年贈与」になるためには、受贈者が最初に贈与を受けた時点で、1000万円の贈与を将来に渡って受ける「権利」が発生していなければならないのです。
この「連年贈与」という考え方は、何も金銭に限ったことだけではありません。不動産や他の資産についても同じことがいえます。ある土地や建物を何回かに分けて持分を移転(贈与)するというときも同じなのです。
この辺のところは、あとで納税者に迷惑をかけないように慎重な判断と対応が求められます。
最後に、根拠法令、通達等を挙げておきます。
相続税法
(定期金に関する権利の評価)
第二十四条 定期金給付契約で当該契約に関する権利を取得した時において定期金給付事由が発生しているものに関する権利の価額は、次に掲げる金額による。
一 有期定期金については、その残存期間に応じ、その残存期間に受けるべき給付金額の総額に、次に定める割合を乗じて計算した金額。ただし、一年間に受けるべき金額の十五倍を超えることができない。
残存期間が五年以下のもの 百分の七十
残存期間が五年を超え十年以下のもの 百分の六十
残存期間が十年を超え十五年以下のもの 百分の五十
残存期間が十五年を超え二十五年以下のもの 百分の四十
残存期間が二十五年を超え三十五年以下のもの 百分の三十
残存期間が三十五年を超えるもの 百分の二十
相続税基本通達
第24条《定期金に関する権利の評価》関係
(「定期金給付契約に関する権利」の意義)
24-1 法第24条に規定する「定期金給付契約に関する権利」とは、契約によりある期間定期的に金銭その他の給付を受けることを目的とする債権をいい、毎期に受ける支分債権ではなく、基本債権をいうのであるから留意する。
第1条の3《相続税の納税義務者》及び第1条の4《贈与税の納税義務者》共通関係
(財産取得の時期の原則)
1の3・1の4共-8 相続若しくは遺贈又は贈与による財産取得の時期は、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次によるものとする。(昭38直審(資)4、昭57直資2-177、平15課資2-1、平17課資2-4改正)
(1) 相続又は遺贈の場合 相続の開始の時(失踪の宣告を相続開始原因とする相続については、民法第31条((失踪の宣告の効力))に規定する期間満了の時又は危難の去りたる時)
(2) 贈与の場合 書面によるものについてはその契約の効力の発生した時、書面によらないものについてはその履行の時
(財産取得の時期の特例)
1の3・1の4共-11 所有権等の移転の登記又は登録の目的となる財産について1の3・1の4共-8の(2)の取扱いにより贈与の時期を判定する場合において、その贈与の時期が明確でないときは、特に反証のない限りその登記又は登録があった時に贈与があったものとして取り扱うものとする。ただし、鉱業権の贈与については、鉱業原簿に登録した日に贈与があったものとして取り扱うものとする。(昭57直資2-177改正、平15課資2-1改正)
国税庁タックスアンサー
No.4402 贈与税がかかる場合
[平成22年4月1日現在法令等]
毎年、基礎控除額以下の贈与を受けた場合
Q1
親から毎年100万円ずつ10年間にわたって贈与を受ける場合には、各年の受贈額が110万円の基礎控除額以下ですので、贈与税がかからないことになりますか。
A1
各年の受贈額が110万円の基礎控除額以下である場合には、贈与税がかかりませんので申告は必要ありません。
ただし、10年間にわたって毎年100万円ずつ贈与を受けることが、贈与者との間で約束されている場合には、1年ごとに贈与を受けると考えるのではなく、約束をした年に、定期金に関する権利(10年間にわたり毎年100万円ずつの給付を受ける権利)の贈与を受けたものとして贈与税がかかりますので申告が必要です。
なお、その贈与者からの贈与について相続時精算課税を選択している場合には、贈与税がかかるか否かにかかわらず申告が必要です。
(相法24、相基通24-1)
税法上は「定期金」といいます。
今、なんでこのような話をするのかと言いますと、
毎年2月16日から「所得税」の確定申告受付が始まることは、みなさんご存知だと思いますが、
実は、前年に受けた贈与について、「贈与税」の申告が必要な方は、「所得税」よりも一足早く、2月1日から申告受付が始まるのです(申告期限は、どちらも3月15日です)。
まさに、今、その準備作業をしておりましたので、この機会にお話ししておきます。
毎年、贈与について相談を受けることが多々あります。
その際、注意しなければならないのは、この「定期金」の取扱いなのです。
贈与の課税制度は、「暦年課税」と「相続時精算課税」の二つに分けられます。
「暦年課税」は、毎年、1月1日からその年12月31日までに受けた贈与について、110万円の基礎控除を超えた贈与について課税されます。所得税と同じ累進課税となっていますので、その金額が多くなればより高い税率により贈与税が課せられます(最高税率50%)。
「相続時精算課税」は、贈与者が65歳以上の親、受贈者が20歳以上の子に、制限されますが、父母、それぞれ、2500万円までの贈与については(合計5000万円)贈与税を課さず、相続発生時にこの贈与財産と相続財産を合算して相続税の計算をするというものです(一度、相続時精算課税を選択した場合には、暦年課税による申告はできなくなります)。
相談で多いのは、「暦年課税」制度を使って、毎年、計画的に親から子に財産を贈与するというものです。
例えば、貯金が1000万円ある親が、子に贈与するのに、一度に1000万円だと、基礎控除の110万円を超えて贈与税がかかるので、毎年、100万円を10回に分けて贈与するといったような場合です。
このような場合、みなさんはどう考えますか?
実は、簡単なようで結構難しいのですね。
ネット上で他の税理士が書いたブログ等を見ると、このようなケースでは、何でもかんでも「連年贈与」として贈与税がかかるような見解をもっていらっしゃる方が多く見受けられます。
しかし、それは間違いです。
上の例でいえば、1000万円を何回かに分けて贈与するというような贈与契約があって、それを実行したのであれば、税法上、それは「定期金」となり、たとえ1年に受けた贈与金額が110万円以下であっても、贈与総額の1000万円をもとに評価して、一度に贈与税を納める必要があります。
それでは、
最初に総額1000万円を贈与するような契約が無く、毎年、贈与契約を結び、贈与していった結果、10年経ってみたら総額が1000万円だったとしたら、どうなるでしょうか。
これは、「連年贈与」には当たりません。
「連年贈与」になるためには、受贈者が最初に贈与を受けた時点で、1000万円の贈与を将来に渡って受ける「権利」が発生していなければならないのです。
この「連年贈与」という考え方は、何も金銭に限ったことだけではありません。不動産や他の資産についても同じことがいえます。ある土地や建物を何回かに分けて持分を移転(贈与)するというときも同じなのです。
この辺のところは、あとで納税者に迷惑をかけないように慎重な判断と対応が求められます。
最後に、根拠法令、通達等を挙げておきます。
相続税法
(定期金に関する権利の評価)
第二十四条 定期金給付契約で当該契約に関する権利を取得した時において定期金給付事由が発生しているものに関する権利の価額は、次に掲げる金額による。
一 有期定期金については、その残存期間に応じ、その残存期間に受けるべき給付金額の総額に、次に定める割合を乗じて計算した金額。ただし、一年間に受けるべき金額の十五倍を超えることができない。
残存期間が五年以下のもの 百分の七十
残存期間が五年を超え十年以下のもの 百分の六十
残存期間が十年を超え十五年以下のもの 百分の五十
残存期間が十五年を超え二十五年以下のもの 百分の四十
残存期間が二十五年を超え三十五年以下のもの 百分の三十
残存期間が三十五年を超えるもの 百分の二十
相続税基本通達
第24条《定期金に関する権利の評価》関係
(「定期金給付契約に関する権利」の意義)
24-1 法第24条に規定する「定期金給付契約に関する権利」とは、契約によりある期間定期的に金銭その他の給付を受けることを目的とする債権をいい、毎期に受ける支分債権ではなく、基本債権をいうのであるから留意する。
第1条の3《相続税の納税義務者》及び第1条の4《贈与税の納税義務者》共通関係
(財産取得の時期の原則)
1の3・1の4共-8 相続若しくは遺贈又は贈与による財産取得の時期は、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次によるものとする。(昭38直審(資)4、昭57直資2-177、平15課資2-1、平17課資2-4改正)
(1) 相続又は遺贈の場合 相続の開始の時(失踪の宣告を相続開始原因とする相続については、民法第31条((失踪の宣告の効力))に規定する期間満了の時又は危難の去りたる時)
(2) 贈与の場合 書面によるものについてはその契約の効力の発生した時、書面によらないものについてはその履行の時
(財産取得の時期の特例)
1の3・1の4共-11 所有権等の移転の登記又は登録の目的となる財産について1の3・1の4共-8の(2)の取扱いにより贈与の時期を判定する場合において、その贈与の時期が明確でないときは、特に反証のない限りその登記又は登録があった時に贈与があったものとして取り扱うものとする。ただし、鉱業権の贈与については、鉱業原簿に登録した日に贈与があったものとして取り扱うものとする。(昭57直資2-177改正、平15課資2-1改正)
国税庁タックスアンサー
No.4402 贈与税がかかる場合
[平成22年4月1日現在法令等]
毎年、基礎控除額以下の贈与を受けた場合
Q1
親から毎年100万円ずつ10年間にわたって贈与を受ける場合には、各年の受贈額が110万円の基礎控除額以下ですので、贈与税がかからないことになりますか。
A1
各年の受贈額が110万円の基礎控除額以下である場合には、贈与税がかかりませんので申告は必要ありません。
ただし、10年間にわたって毎年100万円ずつ贈与を受けることが、贈与者との間で約束されている場合には、1年ごとに贈与を受けると考えるのではなく、約束をした年に、定期金に関する権利(10年間にわたり毎年100万円ずつの給付を受ける権利)の贈与を受けたものとして贈与税がかかりますので申告が必要です。
なお、その贈与者からの贈与について相続時精算課税を選択している場合には、贈与税がかかるか否かにかかわらず申告が必要です。
(相法24、相基通24-1)
December 16, 2010
平成23年度税制改正大綱が閣議決定
表題のとおり、本日「平成23年度税制改正大綱」が閣議決定され公表されました。
各メディアにより、既に耳にされていることと思いますが、法人税率の引き下げに伴って、その財源確保の必要性から、所得税、相続税等の大幅な増税が行われます。
さっそく、税制大綱本文を読んでみました。
法人については、国税(法人税)と地方税(法人都道府県民税、法人市町村民税)を合わせて、実質5%(実効税率5%といいます)の引き下げを行うために、法人税率を現行の30%から25.5%に、
また、中小法人に対する軽減税率は、現行の18%(もともと22%で来年3月末までの時限措置)を、15%にするようです。
しかし、法人の課税所得(税率を掛ける前の法人税法上の利益)算出に当たって、特別償却や準備金等の廃止や一部縮減を行い、また、減価償却資産の耐用年数の見直しによって、課税ベースを拡大すると言っています。
簡単に言いますと、今まで固定資産をなるべく早く経費処理(損金経理)し、法人税等の税金支出の圧縮により、投下資本(資金の流出)の回収を早期に行えた特典を廃止し、さらに、減価償却の償却速度を主要国なみに遅くする、つまりは耐用年数の見直しによって課税所得の拡大を行おうというものです。
これでは、企業の新たな設備投資(買換え等)意欲が減退し、今の景気回復にブレーキがかかるほか、課税所得拡大によって、税率引き下げの効果は薄れてしまいます。
相続税については、基礎控除「5000万円+相続人1人につき1000万 が 3000万円+相続人1人につき600万」に縮小され、さらに最高税率が50%が55%に引き上げられます。また、死亡保険金の非課税措置の見直しも行われることから、今後、相続税を納付しなければならない遺産相続が増加するとともに、相続人の納税負担も大きくなります。
所得税、その他については、追々、述べていきます。
各メディアにより、既に耳にされていることと思いますが、法人税率の引き下げに伴って、その財源確保の必要性から、所得税、相続税等の大幅な増税が行われます。
さっそく、税制大綱本文を読んでみました。
法人については、国税(法人税)と地方税(法人都道府県民税、法人市町村民税)を合わせて、実質5%(実効税率5%といいます)の引き下げを行うために、法人税率を現行の30%から25.5%に、
また、中小法人に対する軽減税率は、現行の18%(もともと22%で来年3月末までの時限措置)を、15%にするようです。
しかし、法人の課税所得(税率を掛ける前の法人税法上の利益)算出に当たって、特別償却や準備金等の廃止や一部縮減を行い、また、減価償却資産の耐用年数の見直しによって、課税ベースを拡大すると言っています。
簡単に言いますと、今まで固定資産をなるべく早く経費処理(損金経理)し、法人税等の税金支出の圧縮により、投下資本(資金の流出)の回収を早期に行えた特典を廃止し、さらに、減価償却の償却速度を主要国なみに遅くする、つまりは耐用年数の見直しによって課税所得の拡大を行おうというものです。
これでは、企業の新たな設備投資(買換え等)意欲が減退し、今の景気回復にブレーキがかかるほか、課税所得拡大によって、税率引き下げの効果は薄れてしまいます。
相続税については、基礎控除「5000万円+相続人1人につき1000万 が 3000万円+相続人1人につき600万」に縮小され、さらに最高税率が50%が55%に引き上げられます。また、死亡保険金の非課税措置の見直しも行われることから、今後、相続税を納付しなければならない遺産相続が増加するとともに、相続人の納税負担も大きくなります。
所得税、その他については、追々、述べていきます。